家蔵本の影印・書影

  • スキャニングした家蔵本の画像を雑多に置いておきます。

  • ちなみに自分が持っている本を「家蔵」と書く先生と、「架蔵」と書く先生がいらっしゃいますが、意味は同じです。

  • 存在そのものが貴重であるような、いわゆる稀覯本はありません。

  • 書誌事項はあんまりキチンと調べていません。

  • 使用条件は書物毎に異なりますのでご注意下さい。

  • 卒論・修論など、研究用途で実見なさりたい場合は、メールにてお問い合わせ下さい。
    (但し、Freeメールでないアドレスからの発信で。)

  • 関連コンテンツとして、「出版文化史・書誌学・電子出版・(和漢書・準漢籍など)の図書館目録分類法関係の資料、印刷・出版業界の話題など」に「印刷技術と国力の話―紙幣を例として―」を置いてあります。


『增續大廣益會玉篇大全』をマウスでグリグリしよう!

谷本蔵:毛利貞齋著『增續大廣益會玉篇大全』(明治13年12月第八刻)

2008/04/03公開

  • 最近の流行ってことで、Ajaxネタです。
    Flashは使わずにJavaScriptとCSSのみで動いています。
    フルスクラッチでない移植ものですが、それでも実装はとっても大変でした。
  • マウスホイールの上下回転で拡大縮小。
  • マウスボタンで押さえてドラッグすると移動。
  • これで、頭註やら割註やら、それらに付けられたカタカナやらの小さな文字が読めます。
    ナイスアイディア。我ながら感動。
  • 一応、文部科学省「21世紀COEプログラム」の研究成果、という位置づけになります。
    「革新的な学術分野」という名目ですので、古書の電子化とAjaxによる閲読の便の確保ってことで、子ネタ程度にはなるかなぁ、と思っています。

四聲玉篇和訓大成

  • 題簽:[韻附/大廣益/頭書]四聲玉篇和訓大成
  • 序首:玉篇和訓大成
  • 内題:首書大廣益四聲玉篇和訓大成
  • 柱題:四聲玉篇
  • 尾題:首書大廣益四聲玉篇和訓大成
  • 序:天明丁未(天明7(1987)年)
  • 序文撰者:淡海竺常撰(大典顕常。『売茶翁伝』の著者として著名な禅僧、臨済宗相国寺第百十三世持住。)
  • 凡例末尾:中野煥識(字は季文、龍田と号す。鴎外の『北条霞亭』その五十一に考証あり。)
  • 六冊
  • 刊記:寛政四年壬子春(1792年)/皇都書房 九臯堂/浪蕐書房 會玉堂
  • 広告末尾:亰都書林 [三條通麩屋町東-ェ入南側] 吉野屋仁兵衞板

書誌事項で判断すると、家蔵本は、早稲田大学総合図書館蔵(ホ02 04698)の『四声玉篇和訓大成』巻之1-6と、同じもののようである。

デジカメによる撮影実験(各ファイルとも約2MB)

卷1、人部、四画の部分

その1
その2
その3

上の部分は、早稲田蔵本だと[ここ]に該当する。
その3と比較すると、解像度の差が結構あるようです。
早稲田の場合は、35㎜フィルムで撮ってから、フィルムスキャナでデジタル化しているのでしょう。2008年春先に。偶然、実際に作業をしている方と知り合いだ、という方から伺った話だと、デジカメで撮影しているらしい。プロ用の高解像度のデジカメデータでRAW出力とかできるヤツなんでしょうねぇ…(2008年10月補記)。
いずれにせよ、私の510万画素に光学4倍ズームでは勝ち目はないようです。
むぅ…EX-Z1000欲しいなぁ。

真上から撮らないと妙な反射光が入ってしまってダメな画像になるんですね…。
その2はピンボケしてしまっているし。
撮影方法は、もう少し研究してみる必要がありそうです。


唐詩選画本 五編 第三巻

唐詩選画本は、初編~七編まで、各五冊で全35冊が刊行された。

江戸の書肆、嵩山房(=須原屋=小林新兵衛)の刊行にかかり、明治に至るまで再版されたベストセラーである。

刊行は天明8(1788)年から。内訳は(たぶん)以下の通り。

初編 橘石峯画 天明8年跋 1~5巻:五言絶句
二編 鈴木芙蓉画 寛政2年 1~5巻:七言絶句
三編 高田圓乗画 寛政3年 1~3巻:五言律 4巻:五言律,五言排律 5巻:五言排律,七言律
四編 北尾紅翠斎画 寛政5年 1~5巻:七言絶句續編
五編 高井蘭山著、
小松原翠溪画
天保3年 1~2巻:五言古詩 3~5巻:七言古詩
六編 高井蘭山著、
前北齋爲一画
天保4年 1~4巻:五言詩 5巻:五言排律
七編 高井蘭山著、
狂老人卍翁画
天保7年 1~5巻:七言律

以上、都合全35巻。

因みに「前北斎爲一」、「狂老人卍翁」とは、葛飾北齋のこと。当時は既に70歳を超えていた。

以下に掲げるのはその第五編の第三巻。三~五の端本で購入。

端本で集めた2008年10月現在の所蔵リスト

表題等 所蔵 備考
初編 橘石峯画 天明8年跋 第1巻 ×  
同上 第2巻 ×  
同上 第3巻 ×  
同上 第4巻 ×  
同上 第5巻 ×  
二編 鈴木芙蓉画 寛政2年 第1巻 ×  
同上 第2巻 ×  
同上 第3巻 ×  
同上 第4巻 ×  
同上 第5巻 ×  
三編 高田圓乗画 寛政3年 第1巻 ×  
同上 第2巻 ×  
同上 第3巻 ×  
同上 第4巻 ×  
同上 第5巻 ×  
四編 北尾紅翠斎画 寛政5年 第1巻 ×  
同上 第2巻 ×  
同上 第3巻 ×  
同上 第4巻 ×  
同上 第5巻 ×  
五編 高井蘭山著、小松原翠溪画 天保3年 第1巻 ×  
同上 第2巻 ×  
同上 第3巻 端本
同上 第4巻 端本
同上 第5巻 端本
六編 高井蘭山著、前北齋爲一画 天保4年 第1巻 合1冊
同上 第2巻 同上
同上 第3巻 同上
同上 第4巻 同上
同上 第5巻 同上
七編 高井蘭山著、狂老人卍翁画 天保7年 第1巻 合1冊
同上 第2巻 同上
同上 第3巻 同上
同上 第4巻 同上
同上 第5巻 同上

巻三は見ての通り題簽も欠けており、中央に打ち付け で「唐詩選三」とある。版心題は唐詩選画本。

縦22.8糎、横15.8糎。匡郭は四周単辺、2オでの内寸は縦13.8糎、横(柱刻まで)13.2糎。

三、四には刊記がなく、五の刊記には以下のようにある。

畫本唐詩選[五言律/續編]五冊 前北齋爲一老人画

畫本唐詩選[七言律]五冊 仝

 天保三年壬申夏五月

           彫工 杉田金助

日本橋通貳町目

東都書林 小林新兵衛

比較資料:

  • 「古典の図鑑」に初編(五言絶句)の画像を加工したもの74点あり。

  • 岡島空山氏蔵『唐詩選唐音』(安永六年 嵩山房・小林新兵衛刊)は唐音ルビ付きの珍書。
    魁星印が捺してあるが、初印本のようには思われ得ない。
    管見の範囲でも、須原屋の刊行物にはこのような例が散見されるように思うが如何。


表表紙表

裏表紙分解之図

型押し 

紙縒

1丁

3丁

長安古意 盧照鄰

長安大道連狹斜、青牛白馬七香車。
玉輦縱橫過主第、金鞭絡繹向侯家。
龍銜寶葢承朝日、鳳吐流蘇帶晩霞。
百丈游絲爭繞樹、一群嬌鳥共啼花。
啼花戲蝶千門側、碧樹銀臺萬種色。
複道交窗作合歡、雙闕連甍垂鳳翼。
梁家畫閣天中起、漢帝金莖雲外直。
樓前相望不相知、陌上相逢詎相識。
借問吹簫向紫煙、曽經學舞度芳年。
得成比目何辭死、願作鴛鴦不羨仙。
比目鴛鴦真可羨、雙去雙來君不見。
生憎帳額繍孤鸞、好取開簾帖雙燕。
雙燕雙飛繞畫梁、羅帷翠被鬱金香。
片片行雲著蟬鬢、繊繊初月上鴉黄。
鴉黄粉白車中出、含嬌含態情非一。

2丁

滕王閣 王勃

滕王高閣臨江渚、珮玉鳴鸞罷歌舞。
畫棟朝飛南浦雲、朱簾暮捲西山雨。
間雲潭影日悠々、物換星移幾度秌。
閣中帝子今何在、檻外長江空自流。

5丁

4丁

7丁

自言歌舞長千載、自謂驕奢凌五公。
節物風光不相待、桒田碧海須臾改。
昔時金階白玉堂、只今惟見青松在。
寂寂寥寥楊子居、年年歳歳一床書。
獨有南山桂花發、飛来飛去襲人裾。

 

6丁

妖童寳馬鐵連錢、娼婦盤龍金屈膝。
御史府中烏夜啼、廷尉門前雀欲栖。
隠隠朱城臨玉道、遙遙翠幰沒金堤。
挾彈飛鷹杜陵北、探丸借客渭橋西。
倶邀俠客芙蓉劔、共宿娼家桃李蹊。
娼家日暮紫羅裠、清歌一轉口氤氳。
北堂夜夜人如月、南陌朝朝騎似雲。
南陌北堂連北里、五劇三條控三市。
弱柳青槐拂地垂、佳氣紅塵暗天起。
漢代金吾千騎来、翡翠屠蘇鸚鵡杯。
羅襦寳帶爲君解、燕歌趙舞爲君開。
別有豪華稱将相、轉日囘天不相譲。
意氣由來排灌夫、專權判不容蕭相。
專權意氣本豪雄、青虬紫燕坐生風。

9丁

8丁

11丁

古來容光人所羨、況復今日遙相見。
願作輕羅著細腰、願為明鏡分嬌面。

與君相向轉相親、與君雙棲共一身。
願作貞松千歳古、誰論芳槿一朝新。
百年同謝西山日、千秋萬古北邙塵。

10丁

公子行 劉廷芝

天津橋下陽春水、天津橋上繁華子。
馬聲廻合青雲外、人影搖動緑波裡。
緑波淸逈玉爲砂、青雲離披錦作霞。

可憐楊柳傷心樹、可憐桃李斷腸花。
此日遨遊邀美女、此時歌舞入娼家。
娼家美女鬱金香、飛去飛来公子傍。

的〃朱簾白日映、娥〃玉顏紅粉粧。
花際徘徊雙蛺蝶、池邉顧歩両鴛鴦。
傾國傾城漢武帝、為雲為雨楚襄王。

13丁

12丁

代悲白頭翁

洛陽城東桃李花、飛來飛去落誰家。
洛陽女児好顏色、行逢落花長歎息。
今年花落顏色改、明年花開復誰在。
已見松柏摧爲薪、更聞桒田變成海。
古人無復洛城東、今人還對落花風。
年年歳歳花相似、歳歳年年人不同。
寄言全盛紅顏子、應憐半死白頭翁。
此翁白頭真可憐、伊昔紅顏美少年。
公子王孫芳樹下、清歌玅舞落花前。
光禄池臺開錦繍、將軍樓閣畫神仙。
一朝臥病無相識、三春行樂在誰邉。
宛轉蛾睂能㡬時、須㬰鶴髮亂如絲。
但看古來歌舞地、惟有黃昏鳥雀悲。

14丁

下山歌 宋之問

下嵩山兮多所思、攜佳人兮歩遲〃。
松間明月長如此、君再游兮復何時。

14丁(スチームアイロンで皺のばしする前の状態)

16丁

15丁

至端州驛見杜五審言、沈三佺期、閻五朝隱、王二無競、題壁慨然成咏

逐臣北地承嚴譴、謂到南中毎相見。
豈意南中岐路多、千山萬水分郷縣。
雲搖雨散各飜飛、海濶天長音信稀。
䖏䖏山川同瘴癘、自憐能得㡬人歸。

18丁

17丁

烏夜啼 李白

黃雲城邊烏欲棲、歸飛啞〃枝上啼。
機中織錦秦川女、碧紗如煙隔牎語。
停梭悵然憶遠人、獨宿空房淚如雨。

※「唐詩選画本 五編 第三巻」画像の使用条件
転載・加工・改変・加工後の再配布・商用利用全て可。事前申請は不要。
お持ち帰り用の巨大版画像 tousisen53big.zip (約31MB)

 


[Go to top page]

copyright 2005~ 谷本玲大
http://www.tanimoto.to/