PDFファイルの全ページを逆転させるアクションスクリプト(PDF用マクロ)
―自炊で大失敗しちゃったあなたのために―

ver1.0 2013/03/28


PDFファイルの全ページを逆転させる方法は、一般に、以下のAかBのアプローチ方法を取ります。

しかし、A、Bいずれの方式もオリジナルのPDFのメタデータが書き換わってしまったり、画像の圧縮形式や解像度など、画質関係が劣化してしまう可能性が高い。
使うツールによっては、フォント情報が欠落してしまったりする場合もある。
特に海外のソフトを使うと日本語フォント関係でトラブルになりがちである。

そこで作ったのが、Cに載せたアクションスクリプトである。

ついでに、縦書き文書の見開きが左右逆に表示されてしまうのを修正する方法についても紹介しておく。

A:従来の解決法―PDFを逆転印刷する

PDFを、Acrobat(※)の印刷機能を用いて、(紙にではなく)PDFを出力先として“印刷”する。
このとき、印刷順を逆順に設定するのがコツ。その結果、狙い通に並んだPDFとして保存できる。

但し、画像などの品質が劣化する場合があるので、私はこのやり方は好みません。

※PDFからPDFファイル形式への印刷(=出力)は、無料版のAdobeReaderではできない。
無料でやりたい場合は、PDFへの出力ができる互換製品を探してやれば良い。

B:従来の解決法―PDFを切り出してから再接合

  1. PDFを、Acorbatや、その他のツール類(フリーソフトで、色々ある)を用いて、「一枚ずつ」になったPDFや画像に切り出す
    ※切り出しは、無料版のAdobeReaderではできない。

  2. 出力された連番のファイル名を、何らかのファイル名置換ツール(フリーソフトで、色々ある)などで変換整形する。

    • 文書1.pdf、文書2.pdf文書10.pdf、文書11.pdf…文書100.pdf、文書101.pdf…文書111.pdf

    • こういう風に出力されたファイルは、エクスプローラで見ると、以下のようになってしまう。

    • 文書1.pdf、文書10.pdf、文書100.pdf、文書101.pdf…文書11.pdf、文書111.pdf文書2.pdf

    • そこで、「保存時刻が最も新しいファイル」が「最も小さい数字」で、かつ、「桁数が揃った番号」になるようにファイル名を付け直す。

    • 文書001.pdf、文書002.pdf…文書010.pdf、文書011.pdf…文書100.pdf、文書101.pdf…文書111.pdf…

  3. PDFを、Acorbatや、その他のツール類(フリーソフトで、色々ある)を用いて結合する。

この方法も、画像などの品質が劣化する場合があるので、私はこのやり方は好みません。

C:今回紹介する解決方法―Acrobatのアクションスクリプトで逆順に並べ替える

アクションスクリプトを使います。

アクションスクリプトというのは、PDF用のマクロです。

作業手順は以下の通り。

※AdobeSystems社の商業製品Adobe Acrobatでのみ動きます。無料版のAdobeReaderでは動きません

※また、「改変不可のパスワードが付与されているPDF」は、全てダメです。
例えば、国立情報学研究所(NII)のCiNii ArticlesでダウンロードできるPDF文書
や、各大学図書館の機関リポジトリで公開されているPDFなど。これらは、公開元が正しい設定をしてくれないと、どうにもなりません。

1.アクションスクリプト(マクロ)のダウンロード

「全ページ逆順並べ替えアクションスクリプト」をデスクトップにダウンロードする→ReversePDFAllPages.zip(1.3kb)

2.アクションスクリプト(マクロ)の解凍

zipファイルを解凍して出てきたファイル「全ページ逆順並べ替え.sequ」(以下のようなアイコン)をダブルクリックする。

全ページ逆順並べ替え.sequのアイコン

3.アクションスクリプト(マクロ)の組み込み

「取り込み」ボタンでアクションスクリプトを取り込みます。

アクションスクリプトの取り込み

4.組み込み完了後

以下のような画面が出ますが、「閉じる」で一度、閉じます。実行してはいけません。

アクションスクリプト一覧画面

5.サンプルは『唐詩選画本』

これは、Googleが慶應義塾大学の蔵書を電子化し、GoogleBooksで公開しているものです。
『唐詩選画本』で検索すれば色々見つかると思います。
著作権は当然ながら切れているので、ダウンロードメニューから容易にダウンロードできます。

慶応義塾大学には「斯道文庫(しどうぶんこ)」という国宝・重文クラスの貴重書を多数持っている専門機関があります。
国文学や漢文関係の業界では大変有名なのですが、どうやら、GoogleBooksに入っているのは、付属図書館の方の蔵書で、まぁ、そんなに珍しくもない程度の本に限ったようですね。
そうは言っても数百年前の出版物なのですから、欧米では、やはりビックリなんでしょうけれども。

ちなみに、慶応は、グーテンベルグの42行本聖書も持っています。
グーテンベルグの42行本聖書は、残闕本を含めて世界に49部しか現存が確認されていないそうです。
慶応のは羊皮紙バージョンではなく、紙印刷バージョンで、上巻のみですが、アジアで持っているのは慶応だけです。
お値段は、丸善がバブルの頃、JAPANマネーでドカンと買った時の値段が7億8000万円だそうだから、慶応は丸善から買っているのでどんなに安くても最低8億円。
桁が大きすぎて相場観が全くわかりませんけれども、クリスティーズによる再評価では21億円の査定価格が付いたそうですから、大ざっぱに言って、購入時には10億~16億くらいは出しているんじゃないでしょうか。
この聖書についてはGoogleと組んで超高精細画像として撮影していたはず…と探してみたら特設ページがありました。
ケンブリッジ大学図書館の蔵書と高精細画像で比較できるようになっています(ブラウザにはJAVA VM必須)。

ともあれ、GoogleBooksからダウンロードしてきたpdfは、下図のような状態なのです。

なお、以下の画面例では、左右見開きで見えるようにした上で作業します

このような見え方にするには、[表示]→[ページ表示]→[見開きページでスクロール]を選択します。

また、画面右側の「ツール」も開いておきます。

唐詩選画本の初期状態(最終ページ)

ご覧の通り、初期状態で最終ページを確認すると、表紙が一番下に来ています。
なんと、最終ページ(30ページ目)に本来の表表紙が来てしまっている。
GoogleBooksにある和本関係のPDFは、あらかた、こういう大変なことになっています。
左綴じで横書きの冊子をスキャンする設定のまま縦書きの書物を取り込んでしまったのでしょう。

アルバイトに与えたマニュアルでは、東洋の文化、日本の文化に対する顧慮は示されていなかったようですね…。
あるいは、スキャナーが、右綴じ・縦書きの書物に対応できない設計だったのかもしれません。
でも、Google社ならば、PDFをリバースする作業なんて、簡単にできたはずです。


余談

昨今、「文化の多様性を認めて…」という綺麗なお題目がしばしば掲げられますね。
国際社会とのボーダレスな人間の移動を意識してのことでしょう。
各国政府、そして外交や教育に関係する省庁がキャッチフレーズとしてよく使います。

でも、グローバル企業の「実際」なんて、こんなもんのようです。

「文化の多様性を認めて…」なんていう綺麗なお題目を素直に信じてはいけません。
我が国の文化で、世界各国を席捲してやる!
近隣諸国と力を合わせて、東洋の文化を世界標準にしてやろう!
…というくらいのテンションでないと、自国の文化の輸出どころか、自国内の文化防衛すらできないでしょう。

ですから、「国際人の育成」とか「グローバル人材の育成」とかとかって言葉を、「外国語の勉強」と直結させて受け止めてはいけません。英語の勉強の前に、日本語の「使役・受け身・尊敬・可能」とか「待遇表現」を使いこなせるように教育するのが正しい。

中央教育審議会の答申にあった文化・異文化の理解」という言葉は、よく練られています。
そこでは文化」とは書いていないのですよね。あくまでも多文化なのです。
同じ国内でも、地域文化は多様なのです。
私の家には「たこ焼き器」はありませんし、「豆ご飯」を食べる風習もありません。
大阪人に言わせれば「あり得へん」ことでしょう。

経済は欧米寄り、文化は東アジア圏で団結。
これが戦後日本の政財界がずっと採用し続けてきた日本なりの最適解です。

今後は、政治家や大企業の経営陣だけでなく、一人一人の個人が、これを意識的に採用してゆかねばなりません。
メインは儒教精神、漢字文化、そして、発酵食品文化(とりわけ魚醬文化)です。

大ざっぱに言えば、「『味の素』が売れる地域」をコア・ターゲットとして念頭に置けば良いでしょう。

魚醬文化は東アジア一帯に広がっています。
その他にも、発酵食品文化は、納豆・ぬか漬け・くさや・なれ鮨・テンペ・キムチ・ホンオフェ・臭豆腐…いっぱいありますね。
で、そこにキビヤックを入れるとイヌイット、エスキモーと仲良し。環太平洋造山帯をぐるりと一周できる。
シュールストレミングを含めればスウェーデンとも仲良し。
ヨーグルトとチーズも入れて…とやって、臭いもの食う同士でクサイ仲になるのが宜しい。
バランス外交。大切です。

儒教精神とイスラーム文化との、精神性の面での共通点を上手く探って行く営みもやって行くと、更に何か新しい視野が開けてくるかもしれません。そういう観点で見ると、例えばインドネシアは華人・華僑が多く、イスラム文化圏ですから、格好の研究・観察対象となるでしょうし、緩衝地帯としてのトルコは、現実的に、日本が見習うべき表象を多く持っているように思います。

ということで「クールジャパン」とか言って浮かれていてはいけません。そういうのを夜郎自大と言います。

一方、韓国はなかなか遣り手で、インドネシアの文字を持たない少数民族の言語に、ハングルを使用することを提案し、現地出身の人を教師として育て、ハングルでその言語を表記する活動を地道に進めています。

ハングルは表音文字として、大変よくできたシステムですし、また、その少数民族から「語彙や発音」を奪い取ったり、他国語を押しつけるものではないのですから、相手方にも受け入れられやすい。非常に上手いやり方ですね。

「国語」という単語をローマ字で「KOKUGO」と表記しても、カタカナで「コクゴ」表記しても、それは日本語のヨミを表記したことには変わりません。ハングルで「국어」と表記しても同じことでしょう。

※非常にシステマティックにできています。パッチムのイリーガル処理が厄介ですが。ハングルについてはここに書いた。

6.「ツール」→「アクションウィザード」を開き、「全ページ逆順並べ替え」を起動します。

「ツール」→「アクションウィザード」を開き、「全ページ逆順並べ替え」を起動します。

7.以下のようなメニューが出ます。後は、「次へ」でドンドン進めて行きます。

「全ページ逆順並べ替え」アクションのメイン画面

8.「全ページ逆順並べ替え」アクションのステップ1の画面です。

画面右下の黄色枠に注目。

と出ていますね。読んだら、「次のステップに進む」で進みます。

「全ページ逆順並べ替え」アクションのステップ1の画面

9.「全ページ逆順並べ替え」アクションのステップ2の画面です。

この時点で、並べ替えは終了しました。

画面右下の黄色枠に注目。

「保存後の推奨作業(縦書き文書の場合)」として以下の内容を書いておきました。

以上を読んだら、「次のステップに進む」で進みます。

「全ページ逆順並べ替え」アクションのステップ2の画面です。

10.保存画面が出ます。

任意の場所に、任意の名前で保存しましょう。
但し、オリジナルのファイルを上書きするのは失敗してると大変なのでオススメしません。
念のため、別のファイル名にしておくと良いと思います。

保存画面

11.保存をすると、その後でスクリプトの完了メッセージが出ます。

完了メッセージ

12.変換成功です。

一番下が、本来の最終ページになっていますね。

ここで、最終ページを見ると、このままでも良さそうな気がしますね? でも、これではダメなんです。

一番下が、本来の最終ページになっています。

13.先頭ページの確認

先頭ページを見てみても、このままでも良さそうな気がしますね?

でも、これではダメなんです。

もうちょっと下のページを見てみましょう。

[ファイル]→[プロパティ]を開きます。

更にその下のページです。挿絵が左右見開きになっていません。これではダメです。

挿絵が左右見開きになっていません。

14.さらに右綴じ・縦書きの書物にふさわしい設定にする

[ファイル]→[プロパティ]を開きます。

.[詳細設定]タブの設定

15.綴じ方と言語の設定

[詳細設定]タブで、[綴じ方]「右」にして、更に[言語]「日本語」(や「中国語」)などにします。

綴じ方と言語の設定

[開き方]タブで、[ページレイアウト]を「連続見開きページ(表紙)」または「見開きページ(表紙)」にします。

[ページレイアウト]の設定

「連続見開きページ(表紙)」でOK

16.ここで一度、保存します。

[上書き保存]して、AdobeAcrobatを閉じます(大切)。

17.最終確認

もう一度、そのファイルを開き直します。

そうすると、以下のようになります。

表紙だけ、独立して表示されるようになりました。

表紙だけ、独立して表示されるようになりました。

更にその下。挿絵が正しく、見開きで表示されるようになりました。

正しく、見開きで表示されるようになりました。

最後の方の挿絵です。

最後にある1ページ(半丁)分にも、挿絵を入れてある。

最後の最後にある1ページ(半丁)分にも、挿絵を入れて読者にお得感を持たせる所に、小林新兵衛(=嵩山房、須原屋。江戸時代に大きな勢力を持った有名な版元書肆)の編集者魂が垣間見えますね…。

架蔵本の須原屋の『唐詩選画本』については、以前、こっちのページに書きました。

裏表紙も正しく独立して表示されています。

裏表紙も正しく独立して表示されています。

18.補足

上記の設定で、表表紙・裏表紙だけ独立させると、それ以降のページの左右がずれることがあります。

その場合は、任意の場所に空白ページを挿入して調整します。

挿入操作方法(Windowsの場合)は、[SHIFT]+[CTRL]+[Q]キーです。

もちろん、[ツール]→[ページ]→[その他の挿入オプション]からもできます。


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